関節リウマチの検査と診断
関節リウマチの検査方法
関節リウマチの検査は、身体に現れている症状と血液検査、尿検査が主です。
血液検査
炎症や免疫の状態を確認し、関節リウマチの可能性があるかどうか検査します。様々な値を同時に確認し、他の病気と区別します。
尿検査
尿検査で関節リウマチかどうかは判断できませんが、他の病気との区別をすることや、薬による副作用をチェックすることができます。
X線検査
骨びらん、関節裂隙挟小化を確認します。診断・進行度のチェックに使用します。
関節液検査
関節液(滑液)を調べて、他の病気との区別に役立てます。
超音波検査
X線検査では分からない、滑膜肥厚、滑膜炎を調べます。
MRI検査
X線検査では分からない、骨髄浮腫、滑膜炎を調べます。
関節リウマチの診断基準
関節リウマチの診断基準としては、これまで1987年に米国リウマチ学会によって提唱された診断基準が採用されていました。しかし、初期の関節リウマチはそれに当てはまらないことが多く、最近は、1994年に日本リウマチ学会が提唱した「早期関節リウマチの診断基準」を採用しています。
早期リウマチの診断基準
この6つの内、3つに当てはまる場合を早期リウマチと診断します。
- 全身の3つ以上の関節で、指で押さえたり動かしたりすると痛む
- 全身の2つ以上の関節に、炎症による腫れがある
- 朝起きたときに、関節がこわばっている
- 皮下結節(リウマトイド結節)がひじやひざなどにみられる
- 血液検査で赤沈の異常値が出ることや、CRPが陽性であること
- 血液検査でリウマトイド因子が陽性である
ただ、この項目に当てはまらなくても、左右の同じ関節が痛むことや、X線での診断もリウマチの診断の参考になります。 また、倦怠感や微熱、食欲不振、体重減少といった関節以外の全身症状も初期のリウマチにはよくある症状です。
関節リウマチは、できるだけ早い時期に治療を始めることが望ましい病気ではあるのですが、よく似た症状がある他の病気との区別が難しいため、何度も検査をし、患者さんの自覚症状をきちんとお聞きした上で、いくつかの診断基準と照らし合わせて、一つの基準にとらわれず、総合的に診断して行きます。