関節リウマチの治療方法
リウマチ治療の基本は、日常生活・薬・リハビリ・手術
関節リウマチの治療の基本は、病気の進行を抑えることと、できるかぎり痛みを取り除くことです。
日常生活(基礎療法)・薬物療法・リハビリテーション療法・外科療法(手術)を組み合わせて、治療を行っていきます。
日常生活(基礎療法)
患者さん自身がリウマチという病気を正しく知り、安静と運動、食事など、毎日の生活の中で気を付けるべきことをしっかり守って生活していく療法です。
関節リウマチは、発病すると長く付き合っていかなければならない病気です。
薬やリハビリも大切ですが、日常生活でもできるだけ身体に負担をかけすぎないように注意していきましょう。
薬物療法
関節リウマチに使われる薬のタイプは大別すると「抗リウマチ薬」「非ステロイド抗炎症薬」「ステロイド薬」の3種類です。
まず、抗リウマチ薬では関節リウマチの炎症を抑えます。それでも残る腫れや痛みには、非ステロイド性消炎薬で、痛みを抑えます。そして、長い治療経過中に起きる強い炎症のピーク期には、ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬を一時的に用いることもあります。
ただ、関節リウマチは人によって進行度合いや症状の具合が異なるため、患者さんの様子を見ながら、最も適していると思われる薬で治療を行っていきます。
リウマチを原因となる物質から抑える画期的な新薬「生物学的製剤」「JAK阻害剤」
関節リウマチは、これまで「なかなか治らない病気」でしたが、最近は生物学的製剤やJAK阻害剤という新しい薬を使うことができるようになりました。これは、関節リウマチの炎症、腫れや痛みを軽くするだけでなく、骨や軟骨、関節の破壊をを抑える画期的な治療方法です。
窪田整形外科リウマチクリニックで処方可能な新薬
現在、日本では11剤の生物学的製剤が使われています。
当院では、現在レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジア、ケブザラ、インフリキシマブBS、エタネルセプトBS、アダリムマブBSの使用が可能です。
また、JAK阻害剤も、ゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカの使用が可能です。
これまでの経験を生かし、豊田厚生病院やトヨタ記念病院などと連携し、感染症などの副作用に注意しながら、希望される患者さんには生物学的製剤やJAK阻害剤での治療を行っていきたいと思います。
リハビリテーション療法
薬物療法では、炎症や腫れ、痛みを抑えることができます。
しかし、痛みを緩和する薬にばかり頼り、関節を動かさないでいると、関節が固くこわばってしまうことがあります。
リハビリテーション療法は、薬物療法と違って効果がすぐに現れてくるものではありませんが、病気の進行を抑え、関節のこわばりを予防する効果がありますので、気長に続けていきましょう。
大切なのは、調子が良い日も悪い日も、継続して行うことです。とはいえ、無理をしてしまってはいけませんので、腫れや痛みが強い日は回数を少なめにし、自分の力でできる範囲の運動を行うことが大切です。
外科療法(手術)
薬物療法やリハビリテーション療法を行っても痛みが減らない場合や、関節障害のために歩行が困難など日常生活に支障が出る場合などに手術を行います。
当院では関節障害に対しての外科的手術を行っておりませんので、連携している適切な病院へご紹介いたします。
関節リウマチは決して怖い疾患ではありません。急速に進歩する治療に対して最新の知識と情報を学び、採血結果、患者さんの症状を十分に把握した上で治療法を選択し、おすすめします。そして患者さんに十分説明し、納得していただいてから治療をスタートします。どんなに小さいことでも疑問な点は何でも聞いていただき、不安を残さず、一緒に治療していきたいと考えております。